役に立たない車の話(30年前に考えていた事)

私達は、約30年程昔、フォ-ミュラ-の設計と製作、メカニックをやっていました。
この時、こんな技術があればとか将来はこんな車になるだろうと思っていた事
を書いてみます。

20年昔には将来は、こんな車が世界を走ると思っていた!
一般車は4WDで大径の細いタイヤ、1000CC位の排気量の車と想像していた
理由は、全て、車の抵抗に関する事からの発想であり、現在その方向にいって
いるものもあり未だ認知されていない物もある。

フォ-ミュラのタイヤは、発達がすばらしく、一般のタイヤも今後すごいスピ-ドで
進化すると思っていた、大径の細いタイヤでも同様の摩擦が得られれば、細い
タイヤは車内の容積を沢山取れるし空気抵抗も減ると言う理由、大径タイヤは、
乗り越え性能が高いので乗り心地がよくなると言う理由上記にはタイヤの発達
が不可欠という事です。

軽い車は小排気量で動かす事が出来、省エネ、低コストいい事ずくめである。
車両の質量が減れば、もしぶつかった時などでも破損が減り、当てられた方の
破壊も最小限で済む。
そんな車のパワ-の伝達手段の最高は4WDと信じていた。
これには、軽く強度抜群でコストの安い構成部材の発達が不可欠だった訳だ。
CFRP等でインジェクション(プラモの様に)で車が出来ると信じていたし・・・
今でも少し思っている。

姿勢安定装置
車にとっていかなる場合の姿勢も重要であり、その姿勢の変化に対処する為に
色々な装置が開発されて来た。
このシステムもそんな姿勢制御装置をフォ−ミュラ−で実現しようとしたもので
自分の設計のF3に取り付けて実験しようと試みたんだが そんな余裕の無い
レ-スの世界では、先ず確実な事が優先される為、日の目は見なかった・・・・・



姿勢制御用のツノ

エンジンのON/OFFやブレ−キング
コ−ナ−通過等の要因で姿勢変化は
起こる。

これらは、次のドライバ−のアクションには良い影響を与えない。
よって姿勢の変化を減らそうというコンセプトだ!
これを実現させる為、通常はバネを硬くしたり、静ロ−ルセンタ−を下げる為
車高等を下げる等の行為をする訳です。
この装置は、スラビライザ−の中央にピックアップバ−を取付け油圧で前後を
つなぐげばどうなる?と言う物だ。
アクセルONでスクォ−ト(リア沈み)が起こり、ここがコ−ナ−だったら
当然アンダ−ステアが起こる。
この状態の時フロントのスタビライザ−を利用して車高も下げてしまおうと言う
のが本システムの趣旨だ。

ブレ−キング時のダイブ(前沈み)によるオ−バ−ステアやブレ−キの掛かり
不足状態の時は今度はリアを沈めてしまおう、と言う考え方。

又、通常のスタビライザ−がねじれている時は、邪魔しないという物だ。

車を設計していない現在では、必要の無い事だが、いまでも仲間と会えば
酒の肴になる。サスペンション談義はとても楽しい。

それにしても、ニュ-タイプサスペンションの形式は、出てこないなぁ・・・
ダブルウイッシュボ-ンだって欠点あるのになぁ、けして究極のサスペンション
じゃないと思うんだけど。

    <私が作った車達>
   
  | ホ-ム | 製作姿勢 | 製作手法例 | ギャラリ− | 会社概要 | 問合せ/リンク |
Copyright 1990 RamEngineering Design.
.